学校教育法第72 条によると「特別支援学校とは、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、 肢体不自由者、病弱者(身体虚弱者)に対して、幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準 ずる教育を施すとともに、障害による学習上または生活上の困難を克服し自立を図るため に必要な知識技能を授けることを目的としています」となっています。現在県内には12 校 (分教室を含む)が設置されていますが、平成27 年度には雲南地域に「出雲養護学校雲南 分教室」が新たに設置されることとなっています。

 

特別支援学校は、幼稚部、小学部、中学部、高等部に区分されます。また、地域の幼保 園、小・中・高等学校の要請に応じて、特別支援の必要のある幼児・児童・生徒の教育に関 し必要な助言や援助を行う、いわゆる地域の特別支援教育センター的な役割も担っていま す。さらに特別支援教育の趣旨、目的に基づき、従来の障がいに加えて、学習障がい(LD) や注意欠陥多動性障がい(ADHD)、高機能自閉症などの幼児・児童・生徒にも地域や学校 で総合的で全体的な配慮と支援をします。

特別支援学校の中には高等部の学習において、教科学習(国語、数学等)以外に「作業 学習」という時間を教育課程に位置づけています。作業学習の目的は、生徒の働く意欲を 養い、卒業後の社会参加や自立に必要な事柄を総合的に学習するものです。

特に、農耕、園芸、栽培などの農業分野の内容を扱う作業班は、知的障がい教育を実施 しているすべての特別支援学校に設けられており、校内の耕作地やビニールハウスでの学 習や福祉事業所や農業法人等での現場実習(年2回~3回)を通して「働く力」を伸ばし ています。

平成24 年度の県内高等部卒業生の進路状況(各特別学校要覧)は、卒業生194 名中、72 名 (37%)が一般就労(企業等)し、平成25 年度は卒業生166 名(特別支援教育課)、46 名 (28%)が一般就労しています。就労先としては、建設業やサービス業など多岐に渡って いますが、農業関係では、平成21 年度に2 名、22 年、23 年1 名ずつではありますが雇用 され、農業現場で働いています。他業種に比較すると農業分野への就労はまだまだ少ない のが現状ですが、今年度(26 年度)県立石見養護学校では3 名の生徒が農業分野へ就労す ると聞いています。山間地の小さな養護学校からの就労は、生徒の皆さんや教職員に大い に勇気を与えるものと思います。

島根県立浜田養護学校での農業(園芸)も含めた「作業学習」の取り組み

作業学習とは、作業活動を学習活動の中心にすえ、児童生徒の働く意欲を培い、将来の職業的生活や社会生活を目指して総合的に学習する指導の形態。(中略)作業学習で取り扱われる作業種目は、農耕、園芸、養鶏、紙工、木工、縫製、織 物、金工、窯業、セメント加工、印刷、調理等多種多様。(学習指導要領)

作業学習

 作業活動を中心とした学習で、卒業後の職業的、社会的な自立に向けて必要な働く力や、生活していくのに必要な基本的な知識、技能、態度などを学びます。作業学習の内容については、次のとおりです。



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 檜を使ったいすやベンチ、ローテーブルやサイドテーブルを作っています。新製品として、L型ラックやボックス棚も作っています。


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 色々な工程があり、覚えるのが大変ですが、「作り」は一人一人が自分の作品に責任を持ち、ていねいに作っています。使ってもらう方によろこんでもらえるようにがんばっています。


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 裏地付きの巾着袋や弁当袋などを作っています。その他、コースターなどの布小物、ビーズ製品作りにみんなで協力して取り組んでいます。


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 イカを使った珍味「たまもイカ」をはじめ、アジ・ノドグロ・カレイの一夜干しなど、地元の水産物を使った製品作りに取り組んでいます。ジャムやマーマレードも作っています。


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 季節の草花や野菜の栽培管理を種まきから丁寧に行っています。できるだけ無農薬栽培にこだわり、校内の草を堆肥に変えるなど、環境にやさしい農園芸に取り組んでいます。
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 普段は、昼定食を作って、校内の先生方に販売しています。また、はまようまつりやたまも市ではパウンドケーキを販売しています。営業許可を取り、接客や衛生の学習もしたり、学校公開の時を中心に校外の方にも積極的に販売したりしています。



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 石見神楽の玩具面や干支の置物を製作しています。毎年「エクス和紙の館」で和紙作り・面作りの体験もしています。

 

現場実習・校内実習
 前期2週間、後期2~3週間の予定で現場実習または校内実習に取り組んでいます。長期休業中等に臨時実習を行うこともあります。自分にはどんな仕事が合っているのか、社会に出ていくためにどんな力が必要なのかなど、実際に働く体験を通して学びます。
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実習先での様子
(浜田養護学校ホームページより抜粋)