学校給食、産直向け野菜栽培
~販売先を見つけてから栽培に取り組む

しまね農業振興公社の農地中間管理事業を活用して地域内の畑地を引き受け年々面積拡大し、今では1ha以上の露地野菜を栽培する 。販売先を見つけて栽培し、生産物は冷蔵貯蔵も行いながら雲南市学校給食センター 、スーパーの産直コーナーに継続的に出荷する。
平成26年度から20aの加工トマト栽培を始め、県内5つの福祉事業所と連携してトマトミックスソース製造販売にも取り組む(福福連携)。

1. 就労支援事業所しゃぼん玉工房の概要

  • 所在地  :雲南市三刀屋町古城456
  • 定員と現状:就労移行支援   登録者2名/ 定員6名
          就労継続支援B型 登録者29名/ 定員 24名
          就労定着支援   登録者5名 うち農作業従事 6名

2.主な栽培体系

図1 ニンジン収穫

【図1 ニンジン収穫】

図2 主な野菜の作付け

1) 取り組みのきっかけと特徴

  • 平成26年、加工トマト栽培をきっかけに農業に取り組む。
  • 加工トマトの後作として、地域に根ざす農業を目指して 学校給食向け野菜栽培を検討した結果 、給食センターで需要 が 多く地元農家と競合しないキャベツ、ニンジン栽培を始める。その後 タマネギ栽培も開始。また、市内の農産加工事業社からの依頼でニンニク等の契約栽培に取り組む。
  • 売り先を確保してから栽培を始めることで、計算できる生産に努める。徐々に作物と面積が増えほぼ周年農作業に取り組んでいる 。
  • 障がい者就労事業振興センターの 農業サポーターに栽培技術指導を受ける。
  • トラクター、各種農業機械は、工賃向上のための補助事業を活用して整備。

2) 野菜栽培出荷の工夫

    • 冷蔵庫で貯蔵し、出荷期間を延長(キャベツ、タマネギ、加工トマト)することで従事期間を長くし、また価格安定につなげている。
    • 機械作業は職員が行い、利用者は手作業で作業分担。
    • 判断の必要な作業を減らす。例)加工トマトは房ごとに収穫し事業所内で選別。ニンジンの播種間隔を広げ間引き作業を容易化。
  • 簡単な治具で作業性改善。 例)加工トマトで、ペットボトルキャップを使って追肥(肥料約5g/杯×回数)。
  • 産直コーナーへの出荷では、利用者が商品を並べることで自分たちの仕事の意味を知り、また、お客様からの一言が励みになる。
図3 加工トマト定植

【図3 加工トマト定植】

図4 定植と水やりの作業分担

【図4 定植と水やりの 作業分担】

図5 収穫された加工トマトの選別・汚れ落とし、冷蔵貯蔵

【図5 収穫した加工トマトの選別・汚れ落とし、冷蔵貯蔵】

3) 課題

  • 就労移行支援との多機能型事業所であるため、就職に向けた支援と、就職された後の新規利用者の確保 。
  • 農作業に従事可能な利用者の確保。
  • 栽培面積が増えてくると、畝の長さも遠くなり、作業の終了目標が遠くなることで、モチベーションの維持が難しい。
  • 夏季の暑さ対策 例)夏季の作業を他の福祉事業所と共同で取り組み圃場での作業時間を短縮する。
  • 運搬車購入等の設備整備に係る経費の捻出

3.しゃぼん玉工房の評価

  • 工賃向上につながっている。
  • またそれが、頑張ろうという気持ちを高めている。
  • 利用者の体力向上や、忍耐力が身に付く。
  • 利用者も経験を重ねることで作業方法を理解し、細かく指導しなくても 自分で考えて作業できるようになった。例)マルチ張り
  • 農業は作業工程を分解することで、多くの利用者が関わることができる。

<資料>

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